法話板

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6月のおだいしさまのことば

灌頂とは頂きに水を灌ぐという意味で、古代インドにおいては王即位の儀式でした。四海の水を汲み新王の頭頂に灌ぐことで全領地の統治を表したのです。

密教(真言宗)ではこの灌頂を、法を伝える儀式に取り入れ、特に大事にしており、阿闍梨(師)が密教の大法(尊い教え)を弟子に授ける時に行われます。阿闍梨は仏の智慧を表す香水を弟子の頭頂に灌ぎ、授かった弟子は大法を次の世代に伝える資格を得たことを証明されるのです。

さて、灌頂にはいくつか種類があります。密教の正統な継承者となるために受ける「傳法灌頂」、出家・在家を問わず広く仏さまとご縁を結ぶ「結縁潅頂」などがあります。

本年5月、川崎大師では10年毎の吉例行事・御本尊厄除弘法大師大開帳奉修を迎えました。この大開帳奉修を記念して10月18日、19日の2日間、「大師結縁潅頂」が執り行われます。大開帳に合わせて10年に1度しか行われない特別な儀式となります。これを仏さま、お大師さまとのご縁を結ぶ機会。あるいは、自分の心に備わる仏さまの心に触れる勝縁として受法されますようお勧めいたします。