法話板

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2月のおだいしさまのことば

本文中の「哽泣」とは感動してむせぶことです。

この一文は、ある人物が亡き父親の尽力で完成した観音像を見て、父を偲び、感激している様子を表したものです。

故人が使用していた品を大切に思い、残された者が親族や親しかった友人に譲る形見分けという文化があります。川崎大師では、今まで使った物に感謝する気持ちから、「まり塚まつり」や、「茶筅供養」などの法要があります。

このように私たちの周囲には物を大切にする伝統が生きています。「もったいない」という言葉や、「物を大切にしましょう」と子供の頃言われた経験のある方は多いのではないでしょうか。

しかし、最近はどうでしょうか。新しく物を買わせるための広告、まだ使えるにもかかわらず買い換えをする消費者、使い捨ての箸や容器、ファストファッション等、様々な物が短い期間で捨てられているように思えます。

長く使った物には思い出が宿り愛着が湧きます。手入れをし、大切に使うことによって、趣が出る物もあります。物を大切に使う精神を忘れないようにしたいものです。