法話板

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8月のおだいしさまのことば

本文はお大師さまと同時代の人で、法相宗の学問僧、護命(ごみょう)の優れた活動を讃えた文の一節です。この文の直前には、護命のお説きになる言葉は邪悪を挫くものであり、それを聴こうと人々は大勢集まり、彼に学ぼうとする学徒は引きも切らなかった。と称讃しています。

本来仏道は難解な理論や、煩雑な文言を解釈するものではなく、人としてのより良いあり方を求め、それを社会に広める活動です。人間はただ生きるのではなく「より良く生きること」を求めなければ、他の動物と同じように本能に従うだけの生き物になってしまいます。護命は惜しみなく仏法を示し、極寒の冬も、酷暑の夏も悟りへの道を人々に説き続けたとあります。

孔子は言行録である『論語』で、学ぶことに於いて、「ただ知識を知っているだけの人は、学ぶことを好む人の成長に及ばない、それを楽しむ人の成長は、ただ好む人よりはるかに著しいものがある。」といっています。私たちは今、仏教に接し、それを自分の血とし肉とする機会に恵まれています。この機会を大切にし、まず仏教をよく知り、好きになり、楽しめるように自分を成長させたいものです。