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4月のおだいしさまのことば

「ナマステー」この言葉、一度は耳にしたことがあると思います。これは古代インドのサンスクリット語を起源とする表現といわれています。現在でもインドやネパールで「おはよう」「こんにちは」「さようなら」という挨拶として用いられます。

「ナマス」・・・敬う、礼拝する   「テー」・・・あなた

このような意味があります。つまり「あなたを敬います」という気持ちが挨拶となっています。では、いったいあなたの何を敬うのでしょうか。

お大師さまは私たち一人ひとりに仏さまの心が秘められているとおっしゃっています。しかし、雲に覆われる月のように様々な迷いによって隠れてしまっています。言い換えれば、仏さまの心は常に私たちの中にあるのです。

つまり、私たち一人ひとりに生まれながらに備わる仏さまの心を敬い合うのです。だからこそ、自然と手が合わさり、頭が下がる挨拶になるのではないでしょうか。

さて、今回ご紹介したお大師さまのお言葉は、人の上に立つ者の在り方を示された文中の一節ですが、これは人の上に立つ者だけでなく私たち一人ひとりにも当てはまります。お互いに敬い、思いやり、行動に移す。それが優しい世界をつくるのだと思います。