法話板

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3月のおだいしさまのことば

「悪い事をせず、善い事を行い、心を綺麗にしなさい」という戒めは、古来より重要視されてきました。これは現在でも、一般的な常識として周知されていることですが、体現できている方は、多くないように感じます。

現実の社会において善・悪、それに基づく行為は、人の数だけ答えがあるように思えます。自分の視点では「善行」であっても、一方から見れば、必ずしも「善行」になるとは限らないのです。そのため相手を思っての行動でも、すれ違いが生じることがあります。これが人間関係は難しいと言われる所以の一つなのでしょう。

善・悪の境界や基準は法律なども含め、社会の共通認識として存在しています。しかし、近頃はそれらの欠如が見受けられ、時には取り返しのつかない争いや事件に発展することもあります。

我々は幼少より倫理や道徳を学び、命ある者への理解を深めます。さらに様々な物事に触れながら、社会規範やマナー等を身につけていきます。それらを怠ることなく続けることにより、善悪を判断する力が養われるのです。

これを意識して取り組むことは、簡単なようで難しいものです。この実践こそが人として、ひいては仏教徒としての第一歩といえましょう。