1月のおだいしさまのことば
綺語とは口先ばかりで気持ちのない、不誠実な言葉をいいます。仏道では言葉について次のように戒めています。嘘は言わない。乱暴な言葉を使わない。筋の通らないことを言わない。そして綺語を使わない。
誠実に、話す相手の気持ちを大切にした言葉を使いたいものです。その前提となるのは長い歴史の中で洗練された正しい言葉を使うことではないでしょうか。
昨今、「ちょう すげえー」「めっちゃ うめぇー」といった言葉をよく聞きます。「とてもすごい」「たいへんおいしい」という言葉はなかなか耳にしません。ごく親しい間ならともかく、改まった場にも使われたりします。
こうした誰もがすんなり聞き取れない言葉と綺語には共通するものが有ります。それは本当の心による会話を成立しにくくしていることです。馴染めない言葉や、口先だけの言葉は不信や無理解を生み出します。
正月には恒例の挨拶が交わされます。改まった場面に限らず、誰の心にも届く、誠実で美しい言葉を使いたいものです。