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「大開帳奉修並びに高浜虚子生誕150年記念俳句大会」 入選句

大開帳奉修お知らせ

大開帳奉修期間中、皆様から大開帳奉修並びに高浜虚子生誕150年記念俳句を募集いたしましたところ、多数のご投句をいただきました。ここに入選句を発表いたします。

選者は、川崎大師平間寺貫首、俳誌『玉藻』名誉主宰・星野 椿先生、同誌主宰・星野高士先生です。川崎大師平間寺貫首賞3句、各先生方の特選3句・秀逸10句・佳作20句 総計69句を掲載いたします。ご投句いただいた皆様には、誠にありがとうございました。

尚、入選句は71日より731日まで信徒会館一階ステンドホールに展示いたします。

 

  

【星野 椿先生御選】

特 選

早起きをして、今日大開帳の一番の札を頂こうと一生懸命ペダルを漕いで、山門に辿りついた時の安堵がよく分かり、気持ちのいい句となりました。

 

お大師様の街に住んでいる誇りの様なものを感じ、ちょっと羨ましい気持ちとなりました。若葉風が気持ちよく、信仰の心が伝わってくる一句です。

 

あっという間の十年。怪我もせず病気もせずによくまあ頑張ってこれたのも、お大師様のおかげとしみじみ思い、十年前の大開帳を思い出し、いい幸せを感じているのでした。

 

 

  

【星野 高士先生御選】

特 選

俳句は写生が根本的なところであるが、見ている内にいろんな発見が生まれてくる。この作品も声明の見事さに思いが深まってこそのもの。また、薄暑という季題も無理なく使われていた。

 

川崎大師の虚子句碑は私にとっても忘れられない思い出深いもの。小学六年の時に除幕の栄を賜った。虚子の句碑は全国に沢山あるが、晩年というか最後の揮毫の句碑であろう。緑さすで、生き生きとした時間が伝わってきた。

 

この句は赤札とは言ってないが、季題からすると正に今年の場面。薫風の清らかな中に貫首の心が沢山入っている感覚も斬新であった。臨場感たっぷりの作品であった。

 

 

【川崎大師平間寺貫首賞】

お手綱をにぎるあんどに初夏の風 (相模原市 小林 やまぶき)

 

若葉風お大師様の街に住み (鎌倉市 武藤 由空)

 

赤札をカーネーションにそっと添え (横浜市 小池 弘一)

 

 

【星野 椿先生御選】

秀 逸

お水屋の庇に触るゝ実梅の枝 (富山市 磯田 和子)

 

赤札によせる人波五月来ぬ (川崎市 飯塚 克子)

 

てのひらに赤札を受け風薫る (三浦郡 杉山 通幸)

 

父母の形見と詣るご開帳 (川崎市 小宮 弘一)

 

赤札を送って祝う初節句 (川崎市 松本 セイ子)

 

夏立つや愈々高き御護摩の火 (川崎市 蜂巣 幸彦)

 

涼風と共に佇む虚子の句碑 (川崎市 蜂巣 幸彦)

 

供養塔空へ繋がる五月かな (さいたま市 稲木 洋子)

 

小康の母へ赤札風薫る (川崎市 廣田 則子)

 

赤札を手にし安堵の夏に入る (川崎市 多田 政彦)

 

 

佳 作

木々萌える大師の庭の棗かな (和歌山市 堂谷 善昭)

 

若葉風一身にまとひ日参す (川崎市 古屋田 幸子)

 

新緑を抜けて門前人のなみ (川崎市 武藤 せつこ)

 

薫風や赤札を飛ばされぬやう (川崎市 佐々木 光野)

 

月詣で新緑の道大師道 (川崎市 青木 恵美子)

 

虚子句碑の親しさにゐて風五月 (川崎市 柳内 恵子)

 

飴を切る音に乗りけり若葉風 (川崎市 柳内 恵子)

 

日除して大開帳の列長し (富山市 磯田 和子)

 

寺史かくも赫々深し開帳会 (川崎市 寺田 乃武春)

 

五月雨急ぐ心や赤札へ (茅ヶ崎市 小島 湘子)

 

お手綱をにぎるあんどに初夏の風 (相模原市 小林 やまぶき)

 

本堂へ伸びるお手綱夏の寺 (さいたま市 稲木 泉)

 

二時間後赤札手にし五月晴 (横浜市 佐野 和香菜)

 

十年に一度開帳吉縁に (横浜市 野澤 一翠)

 

御手綱に祈る平和や風薫る (さいたま市 稲木 洋子)

 

大開帳馴染みの顔も増えてきて (川崎市 葛西 英心)

 

薫風や貫首手刷りの護符を掌に (横浜市 岡 久子)

 

風五月虚子の一句を胸に秘め (前橋市 田代 東代)

 

信仰がうねりの如く大開帳 (川崎市 楠 智津子)

 

お手綱と赤札を手に夏の寺 (川崎市 椿 雄臣) 

 

 

【星野 高士先生御選】

秀 逸

若葉風お大師様の街に住み (鎌倉市 武藤 由空)

 

薫風や赤札を飛ばされぬやう (川崎市 佐々木 光野)

 

薫風よ赤い電車よ赤札よ (茅ヶ崎市 小島 里子)

 

川崎の五月の雨も有り難き (横浜市 山田 香織)

 

虚子の句碑たたえ立子や踊り花 (川口市 西村 ふゆ子)

 

病む友に赤札求め夏の寺 (川崎市 荒金 民夫)

 

小康の母へ赤札風薫る (川崎市 廣田 則子)

 

赤札を胸に抱きし夏衣 (横浜市 金子 知惠子)

 

五月晴れ梵風が舞う転読会 (川崎市 橋本 善行)

 

薫風や大本堂の屋根の反り (桶川市 並木 道子)

 

 

佳  作

参道の飴切る音も夏に入る (鎌倉市 武藤 由空)

 

赤札によせる人波五月来ぬ (川崎市 飯塚 克子)

 

赤札は貫首の汗よ捧げけり (調布市 久万 可祢)

 

薫風や虚子句碑披き曽孫へ (葛飾区 福田 和香)

 

赤札をカーネーションにそっと添え (横浜市 小池 弘一)

 

赤札を賜りラムネ一気飲み (久喜市 黒川 こもれ日)

 

虚子の句碑前も行列夏来たる (川崎市 天沼 寛文)

 

万緑や御大師像へ献水す (さいたま市 稲木 洋子)

 

赤札を待つ身にやさし五月空 (横浜市 佐野 和香菜)

 

万緑や夫の足どりかろきこと (川崎市 土屋 裕美子)

 

僧列を抜け若葉風紅き護符 (川崎市 多田 政彦)

 

本尊のまばゆい光夏に入る (川崎市 出井 岳風)

 

列を守る金色句碑の初夏の道 (川崎市 島津 一鴨)

 

お手綱の湿りや堂の風薫る (墨田区 髙草 久枝)

 

草笛や川あれば空広々と (町田市 若林 由子)

 

虚子立子天突き上ぐる松の芯 (町田市 石地 まゆみ)

 

蟻の列かくや途切れぬ札の列 (桶川市 高野 泰恵)

 

明易し一番目指し漕ぐペダル (大田区 竹内 通代)

 

煩悩を洗い清める五月雨 (港区 仁田 公清)

 

ご宝号赤札拝受寺五月 (川崎市 椿 雄臣)