1月のおだいしさまのことば

解説
このお言葉はお大師さまが布施を頂いた方へ出された礼状の一節です。簡潔さの中に、国への貢献の大切さを思う心が強く伝わってきます。お大師さまは東寺を鎮護国家の要とし、国を護り安定させるための祈願をおろそかにすることはありませんでした。
私たちの生活は国に委ねられるところが多くあります。安全保障から治安の維持、日常生活の細部に到るまで、安全で豊かな暮らしは国によって保たれています。
今の私たちは国に「してもらう」という姿勢が強すぎるのではないかと案じられます。国民としての権利は勿論あるのですが、義務を積極的に果たし、日々の活動の中で、まず自らが努力し、互いに尽くし合い、助け合うことが必要です。
何よりも、自身や家族を大切にするのと同様に、地域社会や国を大切に思い、必要とする人が社会福祉や社会保障の制度を無駄なく利用出来るような、モラルある行動が求められているのではないでしょうか。